大切な皆様へ
ファーストアルバム「追憶TSUIOKU」 手に取ってくださった大切な皆様へ
「私の表現の旅」
この度は、私の作品を手に取って頂き誠にありがとうございます。
この作品は、もがいて、癒して、光になった私の物語
私は、物心が付いた頃から歌う事が大好きでした。自分の本当の感情を出せず、常に「理由のない不安と恐怖」を味わっていた私にとっては、歌う事だけが心の救いでした。しかし、それと同時に、「自分が感じた事を表現すると誰かを傷つけてしまう」という間違った認識を持っていた私は、次第に対人恐怖症に陥りました。その結果、歌う事が一気に「恐怖」に変わり、歌が歌えなくなりました。「歌」という唯一の喜びを失った私は、「誰も知らない場所に行きたい」と強く感じ、藁をもすがる思いでイタリアへ渡ることを決意しました。異国の新しい環境で、長い年月をかけ自分の内なる声に耳を傾け、心の癒しを丁寧に進めると、他人軸で生きていた事が生きにくさの原因だったと分かりました。そうすると、「歌が歌えない」すなわち「私は存在してはいけない」という、自分への条件付の愛が作った謎の呪縛は次第に消えていき、「私は何もしなくてもここに存在して良いのだ」と、ありのままの自分を受け入れる事が出来ました。今では、それまで麻痺していた本来の感覚を取り戻し、歌の中でも安心して表現できるようにまでなりました。
このアルバムは、「表現」という課題を持った私の人生の記録です。未熟な面も含め、私という人間を歌を通して感じていただければ幸いです。皆様が、ありのままの自分を自由に表現し、より豊かな唯一無二の人生を歩むための一助になります様にと祈りを込めました。このCDを制作する過程で、タイトル同様、これまでの人生を「追憶」する時間を持てた事は、何物物にも代え難い貴重な経験でした。制作に関わり尽力してくださった全ての皆様に、この場を借りて深く御礼を申し上げます。
私の歌声を通して、皆様の心にも希望の光が届きますように
ミラノより心からの感謝の気持ちを込めて
中村しのぶ